ほうしゃせん古今東西

海外旅行による日本国民の宇宙線被ばくの現状


2014年7月2日


航空機による海外旅行は、昔のように高価なものではなくなり、庶民が多数利用できるようになりました。放射線医学総合研究所の保田浩志さんらの研究者は、日本国民の海外旅行による宇宙線被ばくの実態を調査しました。


諸外国へ行く航空機は、高度一万メートル近い高空を数時間ないし十数時間かけて目的地に行きます。この高空では、宇宙線(放射線の一種)が地表付近よりはるかに強いのです。そのため、航空機旅行における運行乗務員、客室乗務員および一般乗客の宇宙線被ばく線量の実態を知ることは重要です。


調査の結果によると、わが国の航空会社に勤務する運行乗務員すなわち機長や副操縦士の年間被ばく線量は、平成19年度において平均1.68ミリシーベルト、最大の人で3.79ミリシーベルトでした。客室乗務員つまりキャビンアテンダントは、平均2.15ミリシーベルト、最大の人で4.24ミリシーベルトでした。


一方、平成17年11月に文部科学省の放射線審議会(当時)は、これらの航空乗務員の宇宙線被ばく線量について、年間5ミリシーベルトという管理目標値(ガイドライン)を提言しています。同省は国内航空会社にこれを通達しました。そのため、前述の調査による乗務員の宇宙線被ばく線量は管理目標値内におさまっています。


また、一般乗客については、近年の海外旅行者数が年間1700万人くらいであること、日本と外国との間の往復一回による線量は行先により大きな違いがありますが、平均すると一回あたり0.04ミリシーベルトなので、海外旅行に行かない人も含めて国民全体で平均すると、一人あたり年間0.004ミリシーベルトくらいと推定されました。


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