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【お仕事コラム】ミライを切り拓く!原子力のお仕事インタビュー

掲載日:2024.1.25

お仕事コラムとは?

中高生の方々に向けて、原子力や放射線に関連する業界やお仕事について、より深い興味・関心・理解を得られるような情報を提供することを目的とした、お仕事紹介インタビューです!


第2回のインタビューは「日本原子力発電株式会社の関口豪之さん!」


お仕事紹介(何のお仕事をしているの?)

東海事業本部地域共生部で、広報の仕事をしています。
東海事業本部には東海第二発電所があり、国の新たな規制基準に適合させるため、安全最優先で安全性向上対策工事を進めております。
工事の状況や日本のエネルギー事情などについて、発電所周辺の地域のお祭りやマルシェでのイベントの開催や広報誌の発行、またSNSを通じて、地域にお住まいの皆さんに届ける活動をしています。

大型商業施設内での出張イベント
津波から発電所を守る防潮堤の完成イメージをCG映像で説明



どうして日本原子力発電株式会社で働こうと思われましたか?

学生時代は、茨城大学工学部で材料化学を専攻しました。
学問の性質上、核分裂のことなどは学びましたが、原子力そのものを学んだわけではありませんでした。同級生はメーカーに就職を希望する人が多かったです。
ただ、私はモノをつくることはもちろん大事だと思いながらも、自動車も家電もそもそも電気がないと動かせません。
私は社会の根本のところから役立ちたい、そのためにエネルギー=電気をつくる仕事がしたいと思い当社を選びました。


学生の時代の経験が、お仕事に生きていますか?

広報の仕事をする前は、放射線・化学管理グループという部署にいて、放射線の管理や、原子炉で沸騰させる水の水質管理などに携わっていました。
その仕事に関しては、大学で化学分析装置を扱っていたのが役立ったとは思います。 ですが、就職してから原子力に関する勉強をすることのほうが多かったですね。会社からは業務を遂行する上で必要であった放射線取扱主任者の資格取得のサポートもいただき、無事に合格することができました。



今のお仕事に就いていなかったら、どんなことをしていたでしょうか?

学校の先生や、塾の講師といった、人にものを教える仕事に就いていたかもしれません。
元々インフラを支える、人の役に立つ仕事がしたいと考えていました。私は教育もインフラの一種だと捉えていたため、教える仕事を選択したと思います。
現在、広報の仕事の一環として、出前授業などのイベントを行っています。その時は自ら原子力についてわかりやすく子どもたちに教えることもあります。ですから人に教えたいという夢が願ったり叶ったり、という職場になりますね(笑)

写真左:近隣市町村での屋外出張イベント 発電所の中をジェットコースターに乗って探検するVR動画の紹介
写真右:生涯学習センターでの出前授業  科学実験教室として子供達とスライム作りに挑戦


やりがいを感じるのはどんな時ですか?

やはりイベントが成功した時です。イベントに著名人やタレントの方を呼んで、さまざまな年齢層の方に楽しんでいただけた時はうれしく思います。
広報の仕事の前にやっていた放射線管理の仕事は、業務マニュアルがたくさんありました。ですが、広報の仕事は時代の流行や、地域の方々の興味といったことを、幅広くアンテナを広げて自分の肌感覚で探っていく、いわばマニュアルのない仕事です。地域の方々にどのように訴えかけていくか、常にチャレンジする仕事であることがやりがいですね。


近隣市町村での屋外トークイベント
スタンドトークと称して、参加者とエネルギーについて対話

近隣市町村でのセミナーイベント
参加者と一緒にエネルギークイズを実施

現在、仕事以外で打ち込んでいるご趣味はなんですか?

マラソンと登山です。どちらもチームプレイというよりは、言ってしまえば自分が途中で止めようと思えば止めることができるスポーツです。
ですが「あきらめない精神」を養うためにも、大事な趣味だと思っています。
それでは、広報の仕事のゴールはと言うと…地域の皆さまのご理解やご支援がないと存続できないことから、そこに終わりはありません。終わりがないからこそ、走り続けなければいけないという意味で、今の仕事に直結していると感じています。


原子力に関して、個人的に興味のあることはなんですか?

放射性廃棄物の最終処分をどうするか、ということでしょうか。原子力の活用を進めていくうえで必要不可欠な最終処分だけでなく、原子燃料サイクルを踏まえた原子力発電所の利用は、エネルギー資源が乏しい日本においては、避けては通れない課題だと思っていますので、日本オリジナルのエネルギー政策の展開を期待するところです。

生涯学習センターでの出前授業 科学実験教室としてペットボトルロケット飛ばし大会を実施



最後に学生さんにメッセージをお願いします。

エネルギーというものを大枠でとらえたとき、日本は資源が乏しいこともあり、原子力も選択肢のひとつとして存在しなくてはならないものだと私は思います。
これから日本を、また世界を担う若い皆さんには、エネルギー問題を他人事だと思わずに、自分事として考えるために、正しい情報をしっかり入手できる能力をつけることができるよう、学業をはじめとして、さまざまなことに励んでほしいと考えています。
目まぐるしく時代が変わる現代では、学生時代に学んだことが、今後そのまま通用する社会ではなくなりました。
スマホのアップデートと同じように、大人になっても自分自身のアップデートを忘れず、学ぶ姿勢を継続して自分を磨き続けてください。




(今回のインタビューのまとめ)
一つひとつの質問に、しっかりとお答えいただいた関口さん。
「さすが広報!」と思わせる言葉の選び方のわかりやすさと、仕事に対するまっすぐな姿勢が感じられるインタビューでした。






ライタープロフィール

小南 哲司/フリーライター。医療系出版社勤務を経てライターに。医療系記事を中心に執筆。

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