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【お仕事コラム】ミライを切り拓く!原子力のお仕事インタビュー

掲載日:2024.3.29

お仕事コラムとは?

中高生の方々に向けて、原子力や放射線に関連する業界やお仕事について、より深い興味・関心・理解を得られるような情報を提供することを目的とした、お仕事紹介インタビューです!


第6回のインタビューは「日本原燃株式会社の土岐葵さん!」



日本原燃株式会社では、「ウラン濃縮工場」「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」「低レベル放射性廃棄物埋設センター」の三施設を操業し、さらに原子燃料サイクルの要となる「再処理工場」の試験運転と「MOX燃料工場」の建設に取り組んでいます。



お仕事紹介(何のお仕事をされていますか?)

日本は国際原子力機関(IAEA)と査察を受け入れる協定を結んでいるのですが、私はその査察の対応を主に担当しています。そのほか、各種施設の運転状況の資料作成、再処理工場内で行われる工事がIAEAの査察活動に対して、影響を与えないかの確認など、さまざまな業務を行っています。


どうして日本原燃株式会社で働こうと思われましたか?

青森県出身なので、大学在学中に地元企業である日本原燃に体験入社する、インターンシップへの参加がきっかけです。もともと理系ではあったものの、原子力について学んでいたわけでもなく、日本原燃のこともそこで初めて知りました。正直原子力はなんとなく怖いものだという思いがあったのですが、工場の安全性を確認する国の厳しい審査などをしっかりとやっていていることや、資源が乏しい日本にとって原子力の必要性を感じたことから、就職を決めました。

学生時代の経験が、お仕事に生きていますか?

学生時代はスポーツ系のサークルのほか、ボランティア系のサークルもしていました。サークル活動の一環として、通っていた工業大学のイベントで、大学内のイルミネーションを毎年していたのですが、市役所から「地域のイベントとして一緒にやりませんか」というお声がけをいただき、イルミネーション設営を手伝うことがありました。そのなかで、学校以外の方とのコミュニケーション能力が高まっていったように思います。その経験は、なんとなく今の査察対応の仕事に似ている気もしています。


逆に学生時代にやっておけばよかった、ということはありますか?

大学では化学を専攻していたのですが、現在の業務では、再処理工場の中で行われる工事がIAEAの査察活動に影響しないか判断する必要があります。その時、家庭でもよく見られる、ブレーカーを含む「分電盤」や、きちんと工場の稼働に問題ないかを確かめるための制御装置や計測機器を含む「計装設備」などの機材を扱うことがあり、電気系や物理系の勉強をもう少ししておけばよかった、と思うこともあります。ですが仕事をしながら覚えていけるところもありますので、今のところは大きな問題といえるほどではありません。


今のお仕事に就いていなかったら、どんなことをしていたでしょうか?

地元企業であり、またインターンシップに参加したことが大きいので、あまり別の仕事に進んだ時のことは考えていなかったのですが、大学に入学して最初の頃は、製薬会社であったり、また学校の先生に進んだりということも考えました。ですが、それらの仕事が人のためになるという点では、現在の仕事とも共通しています。


やりがいを感じるのはどんな時ですか?

日本原燃の事業は、日本の国策にもかかわる大きな事業でそれに携わることができるのはまず大きいやりがいです。実際、当社の要である再処理工場が完成した後、原子力業界をとりまく環境は大きく変わると思いますので、日本のエネルギー事情はどう変化していくのか、工場が運転することで新たな経験ができることに非常にわくわくしています。もう少し個人的なことでいうと、トラブル等なく査察活動を終えることができた際に「あなたと仕事ができてよかった」とIAEAの査察官に言っていただけたことは、とてもうれしい思い出です。


ご趣味はなんですか?

青森県という場所柄、昔からウィンタースポーツに慣れ親しんでいたので、今でもスノーボードをやるなどしています。その帰りに温泉によることもあるのですが、仕事の息抜きとして銭湯でサウナに入るのも好きですね(笑)


最後に学生さんにメッセージをお願いします。

自分がそうだったように、アルバイトやサークル活動といった一見将来に関係ないようでも、学生時代の今やっていることは何かしら役に立つと思ってもらえればと思います。また私も日本原燃の社員として、現在学生の方から就職の相談を受けることも出てきました。当社は、青森県六ヶ所村に立地しており、都市圏から距離があり、不便そうなことを気にされる学生さんもおられるのですが、「住めば都」というか、意外と何とかなるよ、とお伝えしています(笑)。


(今回のインタビューのまとめ)
地元企業とのインターンシップ参加が決め手となり、まったく未知の世界だった原子力の世界に飛び込んだ土岐さん。
学生時代に培ったコミュニケーション能力を武器に、日々新しい業務に取り組んでいるお話が印象的なインタビューでした。




ライタープロフィール

小南 哲司/フリーライター。医療系出版社勤務を経てライターに。医療系記事を中心に執筆。

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