福島第一事故情報
環境への影響
避難について
原子力安全委員会(当時)の「防災指針」では、10~50ミリシーベルトの放射線を受ける可能性がある場合には「屋内退避」を、50ミリシーベルト以上の場合には「避難」を検討するとしています。この指標をもとに、福島第一原子力発電所で事故が発生し、2011年3月11日以降、避難などに関する区域が設定されました。
- 2011年3月11~12日
- 福島第一原子力発電所から半径3~10キロメートルの地域において、避難・退避区域が設定、拡大され、最終的に発電所から半径20キロメートル圏内が「避難区域」になりました。
- 3月15日
- 半径20~30キロメートルの圏内が「屋内退避区域」に設定されました。
- 4月21日
- 半径20キロメートル圏内が「警戒区域」に設定されました。
- 4月22日
- 半径20キロメートル以遠の地域においても、気象条件や地理的条件によって事故発生後1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれのある地域が「計画的避難区域」に設定されました。また、これに該当しない「屋内退避区域」はその一部が解除されたものの、それ以外の地域は改めて「緊急時避難準備区域」に設定されました。
- 6月16日
- 「計画的避難区域」とするほどの地域的な広がりは見られないものの、事故発生後1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えると推定される地点を、「特定避難勧奨地点」に設定しました。
- 9月30日
- 「緊急時避難準備区域」が解除されました。
- 12月16日以降
- 原子炉の冷温停止状態の達成や、環境に放射性物質が大量に放出される可能性がほとんどなくなったことが確認されたため、警戒区域や避難指示区域の設定の見直しが行われることになりました。
2011年9月30日に緊急時避難準備区域が解除された後、12月16日には、原子炉を安定して冷却できるようになり、原子力災害対策本部において、原子炉の冷温停止状態の達成が確認されました。そして、環境に放射性物質が大量に放出される可能性がほとんどなくなったため、警戒区域や避難指示区域の設定の見直しが行われることになりました。
2012年4月から警戒区域は解除を目指し、避難指示区域は放射線の年間積算線量に応じて、段階的に「避難指示解除準備区域」、「居住制限区域」、「帰還困難区域」に新しく区分されることとなりました。
避難区域(警戒区域、計画的避難区域)の再編は、2012年4月に始まりました。2013年5月28日時点で、対象となる11市町村のうち、田村市、川内村、南相馬市、飯舘村、楢葉町、大熊町、葛尾村、富岡町、浪江町、双葉町の10市町村で完了し、2年1か月ぶりに警戒区域はすべて解消されました。計画的避難区域の川俣町山木屋地区についても、2013年8月に避難指示解除準備区域と居住制限区域に再編されました。2014年4月1日には、(1)年間の積算放射線量が20ミリシーベルト以下 (2)生活インフラがほぼ回復 (3)地元との十分な協議、の3つの要件を満たしたとの判断から、避難指示解除準備区域に再編されていた田村市都路地区の避難指示が解除されています。その後、川内村、楢葉町、葛尾村、南相馬市で避難指示が解除されました。2017年3月~4月にかけて、川俣町・浪江町・飯舘村・富岡町、2019年4月には大熊町の避難指示解除の動きが進みました。2020年3月には、双葉町、大熊町、富岡町での避難指示解除準備区域及び帰還困難区域のうち一部区域が解除されました。
2020年3月時点で、約4万人が避難を続けています。
【以下より作成】
- 原子力災害対策本部「ステップ2の完了を受けた警戒区域及び避難指示区域の見直しに関する基本的考え方及び今後の検討課題について」より
- 福島県「復興・再生のあゆみ~ふくしまの現在~」(令和2年3月24日)
(参考)
◆経済産業省ホームページ
原子力被災者支援(避難指示関係)
「避難指示等」などで、情報が公開されています。
◆復興庁ホームページ
復興の現状と取組
復興の現状と取組、被災者支援情報などの情報が公開されています。
避難などに関するながれ
2011年3月11日 |
|
---|---|
3月12日 |
|
3月15日 |
|
4月21日 |
|
4月22日 |
|
6月16日 |
|
9月30日 |
|
12月16日 | 【原子力災害対策本部】事故収束宣言(原子炉の冷温停止状態の達成など) |
2012年4月1日 | 【田村市】「警戒区域」を「避難指示区域」に再編 【川内村】「警戒区域」を「避難指示解除準備区域」・「居住制限区域」に再編 |
4月16日 | 【南相馬市】「警戒区域」・「計画的避難区域」を 「避難指示解除準備区域」・「居住制限区域」・「帰還困難区域」に再編 |
7月17日 | 【飯館村】「計画的避難区域」を 「避難指示解除準備区域」・「居住制限区域」・「帰還困難区域」に再編 |
8月10日 | 【楢葉町】「警戒区域」を「避難指示解除準備区域」に再編 |
12月10日 | 【大熊町】「警戒区域」を 「避難指示解除準備区域」・「居住制限区域」・「帰還困難区域」に再編 |
2013年3月22日 | 【葛尾村】「警戒区域」・「計画的避難区域」を 「避難指示解除準備区域」・「居住制限区域」・「帰還困難区域」に再編 |
3月25日 | 【富岡町】「警戒区域」を 「避難指示解除準備区域」・「居住制限区域」・「帰還困難区域」に再編 |
4月1日 | 【浪江町】「警戒区域」・「計画的避難区域」を 「避難指示解除準備区域」・「居住制限区域」・「帰還困難区域」に再編 |
5月28日 | 【双葉町】「警戒区域」を「避難指示解除準備区域」・「帰還困難区域」に再編 |
8月8日 | 【川俣町】「計画的避難区域」を 「避難指示解除準備区域」・「居住制限区域」に再編 |
2014年4月1日 | 【田村市】都路地区の避難指示を解除 |
10月1日 | 【川内村】「避難指示解除準備区域」の避難指示を解除 「居住制限区域」を「避難指示解除準備区域」に再編 |
2015年9月5日 | 【楢葉町】「避難指示解除準備区域」の避難指示を解除 |
2016年6月12日 | 【葛尾村】「居住制限区域」及び「避難指示解除準備区域」解除 |
6月14日 | 【川内村】「避難指示解除準備区域」解除 |
7月12日 | 【南相馬市】「居住制限区域」及び「避難指示解除準備区域」解除 |
2017年3月31日 | 【飯舘村】「居住制限区域」及び「避難指示解除準備区域」解除 【川俣町】「居住制限区域」及び「避難指示解除準備区域」解除 【浪江町】「居住制限区域」及び「避難指示解除準備区域」解除 |
4月1日 | 【富岡町】「居住制限区域」及び「避難指示解除準備区域」解除 |
2019年4月10日 | 【大熊町】「居住制限区域」及び「避難指示解除準備区域」解除 |
2020年3月4日 | 【双葉町】「避難指示解除準備区域」及び「帰還困難区域」の一部区域解除 |
3月5日 | 【大熊町】「帰還困難区域」の一部区域解除 |
3月10日 | 【富岡町】「帰還困難区域」の一部区域解除 |