コラム
お仕事コラム
インタビュー
【お仕事コラム】ミライを切り拓く!原子力のお仕事インタビュー 第14回
お仕事コラムとは?
中高生の方々に向けて、原子力や放射線に関連する業界やお仕事について、より深い興味・関心・理解を得られるような情報を提供することを目的とした、お仕事紹介インタビューです。
今回はインタビュアーとして、桃山学院高等学校の皆さんにご協力いただきました!

冨永さんと桃山学院高校の皆さん
第14回のインタビューは「電源開発株式会社(J-POWER)の冨永 英太郎さん!」

電源開発株式会社は、全国的な電力不足を克服するため、1952年に設立され、水力発電、火力発電、送変電設備の開発を進めてきました。また、地熱発電、風力発電などの再生可能エネルギー事業や原子力発電事業、海外における発電・コンサルティング事業まで幅広く事業を展開しています。
「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」という理念のもと、各分野のスペシャリストとして電力の効率的・安定的な供給と環境保全の両立を図り、電力の安定供給を支えています。
お仕事紹介(何のお仕事をしているの?)
私は電源開発株式会社の原子力部門で、主に機械設備に関わる業務を担当しています。現在、青森県大間町で建設中の大間原子力発電所の設備に関する仕事をしており、福島第一原子力発電所事故後に策定された新しい規制基準に適合するための原子力発電所の安全強化対策に携わっています。具体的には、発電所の補助ボイラに使用する燃料タンクや燃料移送設備といった機械関連の設備を担当しており、その安全性を国に対して説明する業務を行っています。安全性を確保したうえで、地域に信頼される発電所をつくることが自分自身の重要な役割だと考えています。
原子力の仕事に興味を持ったきっかけは何ですか?
中学・高校・大学と、もともと原子力とは関係のない分野を学んできました。就職活動の中でさまざまな会社を調べるうちに電力会社に興味を持ち、インターンシップで原子力発電所を訪れたことが大きなきっかけになりました。その時に、原子燃料の小さなペレットが二つほどで一般家庭の約一年分もの電力を賄えると聞き、原子力発電が非常に大きなエネルギーを生み出す技術であることに驚きました。また、多くの技術が組み合わさって発電所が成り立っている点にも魅力を感じました。中でも電源開発株式会社は、大規模な水力発電事業といった、チャレンジングなことをやっている会社だと思い、この会社で働けば、原子力発電事業でもいろいろ面白いことできるかなと考え、入社を決めました。

建設中の大間原子力発電所にはどのような特徴がありますか?
大間原子力発電所の特徴の一つは、ウランとプルトニウムを混ぜた混合酸化物燃料、いわゆるMOX燃料を炉心のすべてに装荷できる設計になっている点です。現在はまだ建設途中で、建屋などはこれから建設が進められる段階です。地下などにすでに設置されている機器については、将来確実に使用できるよう、厳格な管理を行っています。
働く中で印象に残っている出来事などはありますか?
業務の一環で、国内留学のような形で約一年間、茨城県にある原子力の専門職大学院に通ったことが印象に残っています。原子力といっても幅広く、原子炉の核分裂を研究する炉物理をはじめ、材料工学や熱流体力学など、さまざまな分野があります。例えば材料工学では、原子力発電所を建設する際にどのような材料を使えば安全性を高められるかを研究するなど、原子力は多くの専門分野が組み合わさって成り立つ技術だということを、あらためて実感した機会でした。
また、大学院に通っている最中で聞いた、世界で利用されているさまざまなエネルギーも、元をたどれば原子力に行き着くのではないか、という話が特に印象に残っています。例えば、太陽光発電はそのエネルギーの源は太陽で起こっている核融合反応ですし、火力発電で使われる化石燃料も、太陽の核融合反応によるエネルギーを吸収した太古の植物が長い時間をかけて変化したものです。こうして考えると、原子力はエネルギーの大本ともいえる存在である、というお話につながり、とても興味深く感じました。
原子力分野で興味を持っている技術はありますか?
特に興味を持っているのはフュージョン(核融合)エネルギーです。もし実現すれば非常に夢のある技術だと思います。現在の原子力発電は核分裂の連鎖反応を利用しているため、原子炉を停止しても熱が発生し続けるのですが、一方で核融合は反応を持続させること自体が難しいため、熱の発生を抑制するという、安全面に大きな可能性がある技術だと感じています。

原子力発電所では安全性をどのように確保するのでしょうか?
福島第一原子力発電所事故の後、新しい規制基準が策定され、原子力発電所の安全対策はより厳しくなりました。私たちはその基準に適合するよう設備の設計や対策を進め、国に対して安全性を説明し、許可を得る必要があります。事業者としては、安全なプラントをつくることを大前提に取り組み、そのうえで地域の方々にも安心してもらえるようにしていくことが重要だと考えています。
エネルギーや原子力発電の将来についてはどのように考えていますか?
日本はエネルギー資源が非常に少ない国なので、原子力は重要な電源の一つだと考えています。そのうえで、電力事業者が責任を持って安全な発電所をつくり、社会に信頼される形で運用していくことが大切です。
火力や再生可能エネルギーなどと組み合わせながら、日本にとって最もよいバランスの電源構成を考えていく必要があると思っています。
最後に学生さんにメッセージをお願いします。
社会人になっても勉強は続きます。仕事では資料を読んで知識を身につけ、それを実際に使える形にしていく必要がありますが、そのプロセスは学校での勉強とあまり変わりません。学生のうちから勉強しておくことで、「勉強の仕方」という、コツみたいなものが身についてくるので、そうしたコツをつかんでおくと、必ず将来役に立つと思います。
また、学生の時点で明確な将来像がなくても問題はないと思います。選択肢を狭めないためにも、さまざまなことに取り組みながら、自分の可能性を広げていくことが大切だと思います。

高校生インタビュアーよりコメント
・今回のインタビューで、原子力は技術だけでなく地域や社会とも深く関わる分野だと知りました。実際に技術の現場で働く方の仕事を知ることができ、将来の進路を考えるうえでもとても貴重な経験になりました!
・インタビューを行う前まで、自主学習だけでは、不透明に感じていた部分もありました。ですが、今回のインタビューにより、企業が課題をどう捉え、解決しようとしているのかを知ることができ、とても良い学びの機会になりました!
(今回のインタビューのまとめ)
新たな原子力発電所の建設という、まさにチャレンジングなお仕事に関わっている冨永さん。
チャレンジングなお仕事だからこそ、コツコツと一つひとつ着実に積み上げていく真剣さを感じ取れた取材でした!
より冨永さんのことが知りたい方は、電源開発株式会社さんの
採用サイトからチェックしてみてください!
文・編集/日本原子力文化財団 企画部








