教材・セミナー

セミナー

ホルムズ海峡のタンカー攻撃が日本に与える影響とは?(2020年2月26日 大阪大学にて開催)


【主催】大阪大学 放射線科学基盤機構
【共催】一般財団法人 日本原子力文化財団
【講師】キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 宮家 邦彦 氏



2020年2月26日に大阪大学の南部陽一郎ホールにおいて、宮家邦彦氏によるセミナーを開催しました。
セミナーには大阪大学生・教職員を中心に54名の参加がありました。当日の様子をレポートにまとめました。


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戦争・紛争と石油価格は実は関係がない

2019年にホルムズ海峡付近で日本のタンカーが攻撃される事件があった。この影響で石油の値段が上がる、石油がこなくなるんじゃないかと一般の方は考える。間違ってはいないが、実は戦争・紛争と原油の価格は関係ない。湾岸戦争のときに上がらなかったように、戦争が起きると石油の値段が必ず高騰するわけではない。石油価格は、平時はマーケットで決まり、有事には政治で決められている。


安全保障は世界全体を見る

アメリカは、空母とヘリ空母を世界中でローテーションさせ、ヨーロッパ戦線と中東とアジアの3つを同時に見ている。例えば、朝鮮半島と中東で危機が始まったときに南シナ海や東シナ海でも危機が発生したら、アメリカがどこをフォローするかは、日本にとって重要な選択となる。日本のエネルギー供給の面を考慮するとアメリカに中東を選択してもらうしかないが、その他の危機をどう対処するかが問題となる。


日本が選ぶべきエネルギー政策

ひとつ間違えれば石油は止まってしまう。止まったときに風力や太陽光のみに電源を依存することは難しい。原子力の利用に慎重になるのはわかるが、技術の進歩により安全性を高めた原子力を活用し、いくつかのエネルギー源をミックスして電力を確保するエネルギーミックスを行わなければ、日本の将来はない。


参加者の声
・世界情勢に関する課題は非常に興味深かった。
・エネルギーミックスの重要性が理解できた。


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