コラム

笑いは万薬の長

長野の長寿県日本一の取り組みに学ぶ

宇野 賀津子 氏 《(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター インターフェロン・生体防御研究室長》

第2回


長野の長寿県日本一の取り組みに学ぶ



福島でお話するようになって久しい。2011年3月11日からの東京電力・福島第一原発事故以降、がんリスクの低減だったら私のこれまでの研究で役立つこともあるだろうと、発言し出したことに始まっている。もともと私はがんの免疫療法に関わってきたし、研究所では月に一回倉敷から生きがい療法主宰者の伊丹仁朗先生がこられて、学習会もやっていた。
その経験から、放射線のリスクを過剰に考えるストレスの方が免疫力を低下させて、がんリスクをあげるよ、野菜にはいろいろな抗酸化物質が含まれているので、放射能汚染を心配して野菜を食べないというのは、むしろがんリスクをあげるよと発言して今に至っている。実際生きがい療法の学習会に行くと、皆さん元気で、どこに患者がいるのと思う事がある。
福島の家庭菜園の野菜は、じいちゃん、ばあちゃんは食べても、孫にはたべさせられねえ!でなく、福島ではせっかく食品の放射線量を測定する体制が整っているのだから、まずは測って確認して考えようと提案している。全部測らないとわからないでなく、畑の一番線量の高そうなところのものを測って大丈夫なら他は、まずそれより線量も低いはずで大丈夫だからと。
一年ぐらい前から、放射線量測定だけでは不十分だと考え、「長寿日本一、長野県に学ぼう」と提案することにした。農村医療を確立した医師である若月俊一著「村で病気とたたかう」を改めて読んで確信した。長野県は、昭和40年頃は男性9位、女性26位と決して以前から日本一であった訳ではない。昭和40年代ぐらいまでは、脳血管疾患による死亡率がかなり高かったとのこと、男女とも日本一になったのは平成22年である。
長野の健康県への道には、佐久総合病院の若月俊一氏の、地域医療への取り組みの貢献が大きい。「予防は治療に勝る」と予防医学を取り入れ、地域医療に取り組まれたとのこと、長野の食生活改善推進員や保健補導員による「減塩運動」には、「心筋梗塞」第一位の福島県としては学ぶべき点も多いと思われる。
考えてみれば、福島には美味しい野菜・果物が一杯ある。放射能汚染についても検査体制が一番整っているので、ちょっと減塩と禁煙を心がければ、県民健康調査体制もあり、日本一健康県への道は、夢ではないと思うのだが。

(『原子力文化2014.9月号』掲載)

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