コラム

むずかしいからきいてみた

あなたは解ける?京大謎解き団体ハードナッツの謎解きに挑戦!

掲載日:2023.3.28

#むずかしいからきいてみた

#エネルギー × “ 〇〇〇〇 ”


最近、流行の「謎解き」———。脱出ゲームや謎解きイベントは日本各地で開催され、その市場規模は500億円以上ともいわれています。


今回は、そんな謎解きイベントを数多く主催する京都大学の謎解き制作団体「ハードナッツ」さんにエネ百科だけのオリジナル謎解きをつくってもらいました!さっそく、下の図の「?」に入る言葉を考えてみましょう。頭をやわらかくして、Let’s try!




いかがでしょうか。原子力や太陽光など発電に関する言葉と棒グラフのような絵が並んでいます。


この問題をつくってくれた「ハードナッツ」さんは、名門・京都大学の謎解き制作団体。

2015年に医学部のメンバーで結成され、関西はもちろんのこと全国各地で謎解き公演や企業コラボ謎解きを開催しています。


今回はハードナッツ4代目代表の澁谷さんにインタビュー。

謎解きイベントの制作秘話をうかがいました。記事の最後には解答も掲載しているので、ぜひ最後までお読みください。



謎解きをつくりたいという想いで京大に入学

謎解きイベントとは、参加者が協力しながら問題を解いていく体験型イベントです。

なぞなぞや暗号を解き、隠された情報を集めることでゲームが進んでいきます。

クリアしたときに得られる達成感は謎解きイベントでの最大の魅力。


ハードナッツ代表の澁谷さんは、そんな魅力に取りつかれ、中学生のころから“謎解き漬け”の毎日を送っているそう。

謎解き好きのきっかけになったのは、中学生のときに初めて参加した謎解きイベント。


“はじめは軽い気持ちで参加したのですが、「これはおもしろい!」となって、中高時代は毎週のように謎解きイベントに遊びに行っていました。高校の文化祭でも謎解きイベントを開催し、そこに当時のハードナッツの代表が遊びに来て声をかけてくれたのが、ハードナッツとの出会いです”


大学受験でも「ハードナッツに入りたい」という想いが京大へ入学するモチベーションの源泉だったそう。


これまでに参加した謎解きイベントはなんと600以上とのこと。その筋金入りの謎解き好きから2年生にして代表を務めています。




謎解きの問題はどうやってつくるの?

やっぱり気になるのは、発想力豊かな謎解きはどうやって考えているのか。謎解きの達人・澁谷さんにズバリ聞いてみました。


“謎解きイベントの場合、最初に全体のストーリーを考えます。そして、物語の骨組みをそれぞれの問題で肉付けしていきます。例えば、死をともなう危険なゲームに巻き込まれるという設定なら、いつ死ぬかわからないドキドキを演出できるような問題やアイデアをどんどん出していくイメージです”


一つひとつの問題はどのように発想するのでしょうか。


“例えば、ストーリーに登場するキーワードを答えにする場合。その単語をひたすら観察・分析します。言葉の意味や文字の並びを観察しながら、「ここの文字を入れ替えたらこうなるな」といった具合で謎解きの方向性を決めます”


問題は一人で考えることが多いのでしょうか?


“最初の段階では一人で考えることが多いですが、スライドや図にするなど具体的な形にする段階ではメンバーで意見を出し合いながら完成させていきます”


ハードナッツのメンバーのなかにも、最初のアイデアを出すのが上手な人、デザインが得意な人など、それぞれに得意分野があるそう。

単に問題をつくればいいというわけではなく、謎解き制作にはいろいろなスキルが求められるため、お互いに協力しながらひとつのイベント・問題をつくりあげていきます。



謎解きのコツは「視野を狭くしないこと」

これまでの制作したなかで印象に残っている謎解きを伺ったところ、2021年の京都大学11月祭で開催した「黄昏と京の足跡」というイベントを挙げていただきました。


これはTwitter上で展開されるネット上の謎解きゲーム。

ある架空の人物のタイムラインをリアルタイムで追いかけながら謎を解いていきます。イベント自体は3日間かけて行われ、Twitterトレンドに入るなど大きな話題を呼びました。


“当時、コロナ禍により対面での公演が実施できない状況でした。ただ、制約があるからこそ知恵が絞れる。このイベントを通じて、「オンラインでもリアルにも負けないぐらい楽しいことができる」ということを確信できました”


なお、「黄昏と京の足跡」はハードナッツ公式Noteで現在も公開されています。

実際に謎解きに挑戦することもできるので、気になる方はぜひチャレンジしてみてください。




ちなみに、澁谷さんに問題を解く際のコツをお聞きしました。ポイントは「視野を狭くしない」ということだそう。


“ 一つの方向性にとらわれるのではなく、複数の観点から多角的に問題を考えるように心がけています。そうするとパッと光が差し込んだようにひらめくことが多いです。また、私自身も謎解きをつくる側の人間なので、制作者の意図がどこにあるのかという点にも着目して考えています”



ハードナッツ代表が考える謎解きの魅力とは

日本語は謎解きとの相性がいい言語である、と澁谷さんはいいます。

ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字といったように文字体系が多いため、それだけバラエティに富んだ問題をつくれます。


日本だからこそ発展した謎解き文化。澁谷さんが考える、謎解きの魅力はどんなところにあるのでしょうか。


“ 一番の魅力は非日常体験ができる点です。60分以内に脱出しないと大変なことになるなんて事態、普通に生きていたら遭遇できませんよね。さらに、それを見ず知らずの人と協力しながら謎を解いていく。そんなエキサイティングな体験は謎解きイベントでしか味わえません”



最近ではエンターテイメントとしてだけでなく、集客や地方創生の施策としても謎解きが注目をあびています。

「まだ行ったことがない」という方は、ぜひ一度謎解きイベントに参加してみてはいかがでしょうか。


そして最後にもう一度、ハードナッツさんに作成してもらったエネルギーに関する問題を見てみましょう。ぜひ自由な発想でもう一度この謎に挑戦してみてください。






ライタープロフィール

小林悠樹/フリーライター。一橋大学卒業後、冷食メーカーに勤務。2016年脱サラし、宮古島へ。

22年さらなる刺激を求めてポルトガルへ移住。著書は『移住にまつわる30の質問』(キッカケ出版)

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