ほうしゃせん古今東西

海底にもある放射能温泉


2014年10月1日


わが国には数多くの温泉地が存在しています。
その中には、放射能温泉(ラジウム温泉やラドン温泉など)と呼ばれるものもあって、鳥取県の三朝温泉や山梨県の増富温泉などは特に有名です。いろいろな病気に効能があると言われ、かの文豪・志賀直哉は坐骨神経痛に悩まされていて、よく三朝温泉に通ったそうです。


近年の研究によれば、温泉が湧出するのは陸地に限らないそうで、海底を調査する潜水調査艇を用いて観察すると、チムニー(英語で煙突の意味)と呼ばれる筒状の突起が海底に存在していて、熱水を噴出している場所がいくつも見つかっているそうです。
理化学研究所で長らく環境の放射線の測定研究所を行なっていた岡野真治博士は、海洋開発研究機構の深海探査船「しんかい2000」の脚部(そり状になっていて海底に着底できる)にシンチレーションスペクトロメータという装置をつけて、海底からのガンマ線の強さや波長を分析測定する方法で深海の放射能を調査しました。
それにより、興味ある結果が得られました。


沖縄本島の北西に位置する海底の斜面(東経127度5分、北緯27度16分)に、わずか100メートル四方の面積の中にチムニーが数多くみられ、この地域では他の地域に比べて自然放射性核種(ウラン系列やトリウム系列に属する核種)が、数十倍の濃度で蓄積していることがわかりました。
そして、それはチムニーから濃度の高い自然放射性核種を含む温水が湧出しているからでした。海底にも、放射能温泉があったのです。


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