ほうしゃせん古今東西

日本人の体内自然放射線量の特徴


2014年12月26日


人間が常に自然放射線を受けて生活していることは、今では広く知られています。原因は宇宙線、大地や住居からのガンマ線、食物から摂り入れる自然の放射性核種による内部被ばく、外気や建物などの中に気体として存在しているラドンとその子孫核種の吸入摂取による内部被ばくなどによるものです。


このうち、ラドンとその子孫核種の吸入による内部被ばく線量が日本人は欧米諸国のそれより有意に低いことは前回述べました。それに対し、内部被ばく線量の中で、食物から経口的に摂り入れている核種(カリウム40、ポロニウムなど)による内部被ばく線量について日本人と欧米諸国の人たちとを比較すると、日本人の場合国民一人当たりの平均として、年間0.99ミリシーベルトあるのに対し、イギリスでは年間0.25ミリシーベルト、アメリカでは年間0.29ミリシーベルトと報告されています。


カリウム40の人体内濃度はあまり変わらないのに、これだけの違いが生じているのは、何によるものでしょうか。


それは、日本人の場合、アメリカ、イギリスの人たちより食物からのポロニウム210(210Po)と鉛210(210Pb)の摂取量が多いからです。特にポロニウム210は体内でアルファ線を出しているので、体内線量が大きくなります。


では、このポロニウム210は、どこから来るのでしょうか。食物としてはポロニウム210を多く含むのは、魚介類です。日本人の食生活は魚介類を好んで食べるという特徴があります。魚介類には、西洋人が多く食する畜肉類よりはるかに多く含まれているのです。


なぜ魚介類にポロニウム210が多いのかは、良く分かりませんが、これによる原因が日本人の経口摂取による内部被ばく線量のうちの大部分を占めています。このような日本人の食習慣によって、私たちはポロニウム210による内部被ばく線量を高めているのです。


おそらくノルウェイのような漁業国でも、国民全体ではないでしょうが、魚介類を多く食べる人たちが多くいるそうなので、その人たちもポロニウム210による体内線量が多いことでしょう。

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