ほうしゃせん古今東西

健康診断と病気の診断に使える放射線


2015年1月30日


人は常に放射線を体に受けながら生活しています。この放射線は、大きく分けると、自然放射線と人工放射線になります。前者は宇宙線や大地・建物からの放射線、大気や食物から体内に入ってくる放射性物質によって違います。一方、人工放射線は医療被ばく線量が主要のものです。


医療被ばく線量には、病気の予防や早期発見のための健康診断や病気の症状を詳しく調査するための診断が含まれます。がんを治療するために大量の放射線を患部に照射する治療放射線は含まれません。


健康診断のため胸部のエックス線撮影は、最も古くから行なわれていて、昔、肺結核の早期発見によって多数の若い人の命を救ったことは、よく知られています。現代は、この胸の集団エックス線撮影で疑問が見られた時に、胸部のエックス線CT検査が行なわれるようになりました。


そして、肺結核はもとより、肺がんの早期発見に大きく役立っています。もちろんエックス線CT検査は肺がんに限らず、頭部、腹部、骨盤部などのがんやその他の病気にも広く用いられて、早期発見のみならず、病状の進行状況や治り具合の検査に極めて有力で、広く使われるようになりました。


病気の検査には、他にも私たちが通っている歯科医院で虫歯などのエックス線検査を経験された方も多いはずです。また、放射性アイソトープを体内に入れ、その分布や移動を目安にして病気の診断を行なう検査もあります。


このような医学的検診による人体の被ばく線量は、放射線医学総合研究所の赤羽恵一先生によると、わが国の場合、一般エックス線診断が年間1・47ミリシーベルト、エックス線CT検査が2・3ミリシーベルトと見積もられており、その他のものも含めた全体の医療被ばく線量は年間3・87ミリシーベルトになっています。


もちろん、この値は国民全体の一人あたり平均であって、個人個人で大差があります。概して、若い人の値は低く、高齢者は検査を受けることが多いので、はるかに高くなっています。

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