zumen

※図面集の転載・ご使用について

英語版はこちら

    第7章 原子燃料サイクル


  • 【7-1-1】原子の構造


    原子は1つの原子核と複数の電子により構成される。原子核は陽子と中性子で構成され、通常、原子はプラスの電荷を もつ陽子とマイナスの電荷をもつ電子が同数存在し、原子全体として電荷をもたない安定な状態を保つ。なお、同じ 原子でも原子核に含まれる中性子の数が異なるものがあり、これを同位体と呼ぶ。(2016年3月14日更新)


  • 【7-1-2】ウランの核分裂とプルトニウムの生成・核分裂


    ウラン235は、中性子を吸収し核分裂することによって熱エネルギーを出す。ウラン238は、核分裂を起こしにくい が、中性子を吸収することによって核分裂するプルトニウム239に変わる。(2016年3月14日更新)


  • 【7-1-3】軽水炉内でのウラン燃料の燃焼による変化


    軽水炉では、ウラン235だけでなく高速中性子によりウラン238も核分裂する。また、ウラン238が中性子を吸収す ることによってプルトニウム239が生成されるが、出力(発電量)の約30~40%はプルトニウムの核分裂によるもの となっている。このプルトニウムは使用済燃料から取り出して再利用(リサイクル)することができる。(2016年3月14日更新)


  • 【7-1-4】
    ウラン資源のリサイクル利用(資源の有効活用)


    使用済燃料の再処理で回収されたウラン、プルトニウムは準国産エネルギー資源であり、日本ではウラン資源の有効 利用の観点から再処理を行うこととしている。青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場で回収したウラン、プルトニウ ムを軽水炉で利用すれば年間700億kWhの電力量に相当する。(2016年3月14日更新)


  • 【7-2-1】原子燃料サイクル


    使用済燃料の中には、燃え残りのウランや新たに生まれたプルトニウムが含まれており、これらを回収して再び燃料 として使えることが原子力発電の特長の一つである。(2016年3月14日更新)


  • 【7-2-2】原子燃料サイクル(FBRを含む)


    高速増殖炉は、プルトニウムを直接燃料として使用できる原子炉である。その実用化までの間、軽水炉によるプルト ニウム利用(プルサーマル)等でウラン資源の有効利用が図られる。(2016年3月14日更新)


  • 【7-2-3】原子燃料サイクル施設位置図


    日本の燃料加工施設、再処理施設、廃棄施設等は、三菱原子燃料(株)や(独)日本原子力研究開発機構、日本原燃 (株)等が設置している。(2016年3月14日更新)


  • 【7-2-4】
    試験研究用および研究開発段階にある原子炉施設位置図


    試験研究用および研究開発段階の原子炉施設には、(独)日本原子力研究開発機構の他に大学、民間の施設がある。 民間や大学の研究炉は廃止されるものが増えてきている。(2016年3月14日更新)


  • 【7-2-5】原子燃料サイクル施設の概要


    青森県六ヶ所村には原子燃料サイクル施設として、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、ウラン濃縮工場、低レ ベル放射性廃棄物埋設センターの3施設がある。2018年に再処理工場が、2019年にMOX燃料工場のしゅん工が予定 されている。(2017年3月27日更新)


  • 【7-2-6】原子燃料サイクル施設の位置


    原子燃料サイクル施設は、国家規模のエネルギー事業の施設が集約する「むつ小川原開発地区」に、国家石油備蓄基 地とともに位置する。(2016年3月14日更新)


  • 【7-3-1】世界のウラン転換工場


    ウラン転換工場は、イエローケーキ等から濃縮原料の六フッ化ウラン(UF₆)を製造する工場であり、大規模なものは ロシア、アメリカ、フランス、カナダ等にある。(2017年3月27日更新)


  • 【7-3-2】遠心分離法のしくみ


    ウラン濃縮に用いられる方法の一種で、遠心分離機を使ってウラン235の濃縮度を上げる方法を遠心分離法という。 気体状態の六フッ化ウラン(UF₆)を、高速回転中の遠心分離機に入れると、遠心力により重いウラン238が外側 に、軽いウラン235が内側に分離される。ガス拡散法に比べ消費電力が少なく、比較的小規模の工場でも経済性が得 られる等利点が多い。(2016年3月14日更新)


  • 【7-3-3】世界のウラン濃縮工場


    現在はほとんどの国で遠心分離法が採用されている。(2017年3月27日更新)


  • 【7-3-4】世界のウラン再転換工場


    ウラン再転換工場は、六フッ化ウラン(UF₆)から二酸化ウラン(UO₂)を製造する工場であり、カナダ等に大規模 なものがある。日本では唯一、三菱原子燃料(株)の工場が茨城県東海村にある。(2017年3月27日更新)


  • 【7-3-5】ウラン燃料加工工程


    ウラン燃料加工工場では、二酸化ウラン(UO₂)の粉末を小さな円柱状のペレットに焼き固め、それを細長い被覆管 に詰めて燃料棒をつくる。これを束ねて原子力発電所で使う燃料集合体としている。(2016年3月14日更新)


  • 【7-3-6】世界のウラン燃料加工工場(軽水炉燃料)


    日本の原子力発電所で用いられるウラン燃料は、国内の燃料加工工場で製造されている。(2017年3月27日更新)


  • 【7-4-1】再処理の工程


    使用済燃料は放射能を弱めるため、貯蔵プールに冷却・貯蔵される。その後、十分に放射能が弱まった後、約3~4cm の長さに細かくせん断し、燃料の部分を硝酸で溶かし、ウラン、プルトニウム、核分裂生成物に分離する。 ウラン溶液とプルトニウム溶液は、精製、脱硝してウラン酸化物とウラン・プルトニウム混合酸化物になる。核分裂 生成物を含む廃液は、強い放射能を帯びているため、ガラス原料と混ぜ合わせガラス固化体にされる。(2016年3月14日更新)


  • 【7-4-2】世界の再処理工場


    日本は、これまでイギリスとフランスに再処理を委託してきたが、国内再処理を行うため青森県六ヶ所村に年間800 トンの処理能力をもつ再処理工場を建設しており、しゅん工予定を2018年としている。(2017年3月27日更新)


  • 【7-5-1】プルサーマルのしくみ


    原子力発電所で使い終わった燃料(使用済燃料)を再処理して取り出した少量のプルトニウムと、ウランを混ぜて MOX燃料を作り、現在の原子炉(軽水炉)で再利用することをプルサーマルという。プルサーマルは資源の有効利 用、エネルギーの安定供給、余剰プルトニウムをもたないという国際公約遵守の観点から有効である。(2016年3月14日更新)


  • 【7-5-2】MOX燃料


    ウランとプルトニウムの酸化物(粉末)を混合して作ったMOX燃料は、軽水炉のプルサーマル計画や高速増殖炉等の 燃料として利用される。(2016年3月14日更新)


  • 【7-5-3】燃料物性へのプルトニウムの影響


    プルトニウムとウランは化学的な特徴は似ているが、融点や熱伝導度が異なっているため、プルトニウムの混合割合 が増えるにしたがって、MOX燃料の融点が低下し、また熱伝導度が低下するため、MOX燃料の温度が上昇する傾向と なる。しかし、実際にプルサーマルで使用するMOX燃料の混合量では、いずれの変化も小さく、実際のMOX燃料の温 度は融点に対して十分な余裕を持っている。(2016年3月14日更新)


  • 【7-5-4】燃料核特性へのプルトニウムの影響


    プルトニウムはウランに比べて中性子を吸収しやすいため、制御棒の効きの低下、燃料出力を上昇させる傾向がある。 しかし、制御棒の核分裂停止機能は、燃料の設計や原子炉の中での配置を工夫することによってウラン燃料のみの場 合と同じように十分な安全余裕を持った炉心を設計することができる。 なお、MOX燃料の安全性については、原子力安全委員会が1995年6月に安全審査の指標をまとめている。これによる と、MOX燃料が炉心の3分の1までであれば、現在運転している原子力発電所におけるMOX燃料の特性や挙動はウラ ン燃料と大きな差はないとされている。(2016年3月14日更新)


  • 【7-5-5】世界のMOX燃料加工施設


    ヨーロッパではウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料が広く利用されており、フランスやベルギー等に工場 がある。日本では、日本原燃(株)が青森県六ヶ所村で2019年しゅん工に向け準備を進めている。(2017年3月27日更新)


  • 【7-5-6】世界の軽水炉におけるMOX燃料の使用実績


    海外におけるプルサーマルの導入は早く、フランス、ドイツ、スイス、ベルギー等では40年以上にわたりMOX燃料使 用実績がある。日本では、軽水炉以外に新型転換炉「ふげん(2003年3月運転終了)」で772体のMOX燃料を安全に 使用した実績がある。(2017年3月27日更新)


  • 【7-6-1】高速増殖炉(FBR)のしくみ


    高速増殖炉は、プルトニウムを直接燃料として使用できる原子炉である。冷却材としてナトリウムを使用し、原子炉 で発生した熱をナトリウムを通じて水に伝え蒸気を発生させる。(2016年3月14日更新)


  • 【7-6-2】原子炉の比較


    高速増殖炉と軽水炉の主な相違点には、分裂に寄与する中性子(高速・熱)、燃料(プルトニウム・ウラン)、冷却材 (ナトリウム・水)および転換比がある。高速増殖炉では、高速中性子で核分裂を起こさせるとともに、冷却材にナト リウムを用いて高い発電効率を得ることができる。(発電効率は軽水炉で約34.5%、もんじゅで約39%)(2016年3月14日更新)


  • 【7-7-1】各原子力発電所の使用済燃料の貯蔵量


    原子力発電所の使用済燃料は、各施設で貯蔵されている。使用済燃料の貯蔵については、発生状況に応じて必要な対 策(リラッキング、サイト内貯蔵、号機間移送など)を行っている。(2017年3月27日更新)


  • 【7-7-2】使用済燃料の中間貯蔵方式(例)


    使用済燃料を貯蔵する方式には、プール水の中に貯蔵する方式(湿式)と金属キャスクに入れて貯蔵する方式(乾 式)の2種類がある。(2016年3月14日更新)


  • 【7-7-3】使用済燃料の中間貯蔵施設


    中間貯蔵施設は、原子力発電所から出る使用済燃料を再処理するまでの間、頑丈な鋼鉄製の容器(キャスク)に入れ て、安全に貯蔵・保管する施設である。
    使用済燃料を中間貯蔵することは、再処理するまでの間の時間的な調整を行うことを可能にするため、原子燃料サイ クル全体の運営に柔軟性を持たせる手段として有効である。(2016年3月14日更新)


  • 【7-8-1】原子燃料の輸送に係わる安全規制の流れ


    原子燃料は国の審査を受けた輸送容器に収容され、何重ものチェックを受け輸送される。(2016年3月14日更新)


  • 【7-8-2】輸送容器の安全性


    輸送容器は、国が定めた技術基準に基づく各種試験を行い、安全を確認している。(2016年3月14日更新)


  • 【7-8-3】放射性輸送物の分類


    核燃料物質または核燃料物質により汚染されたもの(核燃料物質等)が収容された容器を核燃料輸送物という。収納 される放射能量等により、L型輸送物、A型輸送物、B型輸送物等に区分されるが、放射性物質の放射能が一定量を 超えないもの(低比放射性物質)および核燃料物質によって表面が汚染されたもの(表面汚染物)を収納する輸送物 は、IP型輸送物と呼ばれる。また、臨界安全性の確保が必要な輸送物は核分裂性輸送物として扱われる。(2016年3月14日更新)


  • 【7-8-4】放射性輸送物の具体例


    放射性同位元素等を事業所外で運搬する場合には、放射性輸送物として運搬しなければならない。放射性輸送物は、 収納する放射能量等により、L型、A型、B型、IP型に分類される。(2016年3月14日更新)


  • 【7-8-5】使用済燃料輸送容器(キャスク)


    使用済燃料の輸送には専用の容器(キャスク)を用いる。使用済燃料は強い放射能をもっているため、輸送容器は放射 線を遮へいする能力を備え、衝突、火災等が発生しても放射性物質が漏れ出ないよう頑丈につくられている。(2016年3月14日更新)


  • 【7-8-6】使用済燃料専用輸送船の特長


    使用済燃料を海上輸送する場合、安全性の高い専用船が使用される。この専用船は二重船殻構造や耐衝突構造を採用し ており、万一の衝突・座礁でも沈みにくい設計がされている。(2016年3月14日更新)


このページをシェアする

ページTOPへ