福島第一事故情報

原子力関連

格納容器ベントとは



ベントには排出口という意味があり、原子炉格納容器の中の圧力が高くなって、冷却用の注水ができなくなったり格納容器が破損したりするのを避けるため、放射性物質を含む気体の一部を外部に排出させて圧力を下げる緊急措置です。東京電力(株)福島第一原子力発電所をはじめ沸騰水型(BWR)原子力発電所に、この「格納容器ベント」を行う設備が設置されています。


今回の福島第一原子力発電所の事故では、津波による全電源喪失のために原子炉を冷却できなくなり、原子炉内の温度や圧力が上昇したため、原子炉の安全弁を開けて蒸気を原子炉から格納容器へ放出しました。これが長時間にわたって続いたことから格納容器の中の圧力が高まりました。圧力の上昇により格納容器が破損し大量の放射性物質が放出されることを避けるため、「格納容器ベント」の操作が行われましたが、これにより放射性物質を含む気体の一部が外部へ放出されました。


これを教訓に、「格納容器ベント」を行うような事態になっても周辺への放射性物質の放出が抑えられるよう、放射性物質を1000分の1以下に低減できるフィルタを通してから気体を放出する「フィルタ付ベント」が全国の原子力発電所で設置されることとなりました。


「フィルタ付きベント設備」の概要(BWRの例

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