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原子力発電所の「廃止措置」って、どんなこと?


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2016年12月22日


「廃止措置」というと、ちょっと難しそうな言葉ですが、一般的には「廃炉」ともよばれています。運転を終了した原子力発電所から放射性物質を取り除き、その後、専用の機械やクレーンなどを使って解体することです。跡地は、有効利用できるように更地に戻します。


この廃止措置でもっとも重要なのは、安全に、そして効率的に作業を行うことです。そのため、まず原子力発電所で使い終わった燃料や未使用の燃料を取り出して、その後、「洗う」、「待つ」、「解体する」という順序で進められます。


「洗う」は、あとで解体・撤去などの作業がしやすいように、配管や容器の中にある放射性物質を、化学薬品などを使って除去することです。「待つ」は時間とともに放射能が弱まるのを待つことで、5~10年ほど、適切な管理のもとで施設を安全に保ちます。そして「解体する」工程へと進み、建屋内部の配管や容器などを解体・撤去し、建屋の床や壁などの放射性物質を除去します。こうして放射性物質を取り除いた建屋を、クレーンやパワーショベルなどを使って、一般のビルなどと同じ方法で解体します。


こうした解体・撤去を行うと、110万キロワット級の原子力発電所(BWR:沸騰水型軽水炉)の場合で、約53.6万トンの廃棄物が発生します。そのうち98%以上は、放射性廃棄物として扱う必要がないコンクリートや鋼材などで、道路の材料や鉄筋などにリサイクルすることができます。そして残りの約2%は、低レベル放射性廃棄物として適切に処理・処分されます。


廃止措置にかかる年数は、20~30年ほどです。原子力発電所の汚染状況の調査から、解体計画の立案、放射性物質を取り除く調査、機器・建物の解体と、安全に作業を進めていくためには、時間がかかるのです。1966年に営業運転を開始した東海発電所は、1998年に運転を終了し、日本初の「廃止措置」に取り組んでいます。その他、浜岡原子力発電所1、2、3号機や玄海原子力発電所1号機が廃止の準備を進めています。


一方、事故を起こした福島第一原子力発電所の廃止措置には、30~40年かかると見込まれています。これは、使用済燃料を取り出すためのガレキの撤去や、溶けて固まった燃料の取り出し方法や取り出しに必要な装置の技術開発に時間がかかるためです。


また、通常の廃止措置と異なり、放射能レベルの高い廃棄物が発生するため、その処理・処分も今後の重要な課題となっています。


原子力発電所の廃止措置プロセス
工事期間

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