ほうしゃせん古今東西

全身のカウンター (ホールボディカウンタ―)


最近はテレビでも全身カウンター(ヒューマンカウンターとも呼ぶ)という言葉を聞くことがあります。人間の体を丸ごと生きたまま測定し、含まれている(あるいは表面に付いている)ガンマ線を出す放射性核種の量を知る装置です。  最も広く置かれているのは、全国に多数ある原子力発電所で、発電所の放射線管理区域内で仕事をした作業員が外に出る前にこの装置で放射能汚染の有無を調べるのです。

 やり方は、病院で私たちが受けるエックス線CT検査の装置と少し似ていて、台の上に横になると台が奥の方に移動し、数分間計測して元に戻ります。これで終わりです。係員の人が、「汚染はありません」などと教えてくれます。  もっと精密に体内量を測定する必要のある場合は、大型で精密測定のできる全身カウンターが、少数ですがあります。千葉市にある放射線医学総合研究所には、建物の地下に微量測定を行なうことができる全身カウンターがあります。

 地下にあるのは、宇宙線をできるだけ遮るためです。測定室には厚い鉄でできた箱型の小さい部屋があり、内側には鉛板が張ってあります。ともに大地からのガンマ線を防ぐためです。その部屋の中に寝台が置かれていて、人が横になるとその上をガンマ線検知器が頭の先から足の先まで、ゆっくりと三〇分程移動して人体から出るガンマ線を計測するのです。

 全身カウンターでは、これの影響を避けるために軍艦の鉄を使ったのです。また、空気中のラドンの影響も避けるため、空気をフィルターにかけてラドンとその子孫核種をできるだけ取り除いています。

 これらの特殊な工夫によって人体内の少量のセシウム137その他の人体内核種の精密な測定を行なうのです。

このページをシェアする

ページTOPへ