ほうしゃせん古今東西

レンブラント28歳の自画像をエックス線撮影で発見


ヨーロッパの歴史ある有名美術館は、展示している名画のほかに、膨大な数の無名画家による古い絵も所蔵していて、長い年月倉庫内に眠っていました。

 20世紀、特に戦後の時代になると、科学技術の発達に伴い、美術館ではその所蔵する古い絵画について新しく調査を行なうことが次第に多くなりました。それにつれて、今まで知られていなかった新事実がしばしば発見されるようになりました。

 特にエックス線を用いる調査は、それまでの調査知見をもひっくり返すような貴重な情報をもたらすことも珍しくなくなりました。

 今から10年ほど前になりますが、オランダ・アムステルダムのレンブラントハウス美術館では、「ロシア貴族の肖像」と題する無名の画家の絵のエックス線撮影をしたところ、この絵の下に別の人の肖像画が存在することがわかりました。

 そして、研究家たちは表面に画かれている絵を丹念に取り除く作業を続けました。表層の「ロシア貴族の肖像」の絵の下から、17世紀を代表する画家の一人であるレンブラント(1606~1669)が28歳の時に描いた自画像が発見されたのです。この絵は、タテ70・8センチ、ヨコ55・2センチのもので、3世紀半以上もの間未発見だったものでした。

 もちろん、この自画像は、研究者たちの協力によって修復され、レンブラントハウス美術館に展示公開されました。

 レンブラントの若い時の自画像が他の絵の下に隠されていた事情については、美術館の考えによると、レンブラントがいくつも貯めていた自画像を弟子の練習用に提供し、その上をなぞって描くことにより習わせていたのだと考えています。

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